直近でTOBの開始予定が発表された銘柄としては、JSF(4185)、ベネッセホールディングス(9783)、新光電気工業(6967)等がありますが、それぞれ発表後の株価推移をまとめました。
いずれのTOBにおいても
- 中国を含む国外の競争法の許認可を取得する必要がある
- TOB対象会社が賛同しており、株主に対し応募推奨を表明している
のですが、株価推移はそれぞれ異なるものとなっていて興味深いです。
JSR(2023年6月26日発表)
JSRは産業革新投資機構(JIC)系の会社が2023年6月26日にTOBの開始予定を発表しました。TOBの開始予定日は2023年12月下旬、TOB価格は4,350円という内容です。
参考記事:どうしたJSR!?TOBの行方は?
発表当初は株価が大きく跳ね上がり、一時は4,322円をつけましたが、その後徐々に下落していき3,900円を割ることもありました。
下落の理由は、タツタ電線のように中国の競争法認可が下りずTOBが延期されるのでは?という懸念が大きかったようです。
12月15日現在では、当初見込みとしていた12月下旬に近づいてきたこともあり、株価は4,079円まで戻してきていますが、そろそろ何かしらの発表が間違いなく行われるはずなので、延期ということになればまた大きく下落する可能性が高いです。
引用元:Yahoo!ファイナンス
ベネッセホールディングス(2023年11月10発表)
ベネッセホールディングスはブルーム1という会社が2023年11月10日にTOBの開始予定を発表しました。TOBの開始予定日は2024年2月上旬、TOB価格は2,600円という内容です。
このブルーム1はベネッセホールディングスの創業家一族で取締役の福武氏との協議によりTOBを実施するらしく、いわゆるMBO(Management Buy Out)に該当します。
株価は発表してすぐにTOB価格である2,600円近辺まで上昇し、僕もたまたま100株保有していたので2,596円で売却しました。驚くのはその後、TOB価格を超えて推移していることです。
一時は2,646円まで上昇し、12月15日現在も2,608円とTOB価格を上回っています。理由は正確には分かりませんが、MBOが成立しないよう買い集めているところがある、もしくは対抗TOBが行われるのではないか?という期待があるのではないかと思われます。
引用元:Yahoo!ファイナンス
新光電気工業(2023年12月12日発表)
新光電気工業はJSRと同じく産業革新投資機構(JIC)系の会社が2023年12月12日にTOBの開始予定を発表しました。TOBの開始予定日は2024年8月下旬、TOB価格は5,920円という内容です。
参考記事:またJICが半導体関連企業を買収!
新光電気工業の株価は発表直後に上がりはしましたが、同じJICがTOB予定であるJSRの株価が冴えないこともあり、TOB価格に近付くまでには至っていません。
多くの投資家は、半導体関連企業のTOBについて、中国の国家的な戦略として簡単には競争法の認可が下りないのでは?と読んでいるのだと思います。
引用元:Yahoo!ファイナンス
コメント